電動車椅子の種類と選び方
電動車椅子の種類ってどんなものがあるの?私にあった電動車椅子はどのように選んだら良いんだろう?
そんな疑問に分かりやすくご説明いたします。
電動車椅子の種類
電動車椅子は、ご利用者様が自分で操作できる「自走用」と、介助者の介助が必要な「介助用」に分かれます。
それぞれの特徴を比較してみましょう。
自操用
自操用の電動車椅子には、標準型・簡易型・ハンドル型などの種類があります。
・標準型
標準型は「ジョイスティック型」とも呼ばれ、上下左右に動くジョイスティックレバーを自ら操作するタイプです。バッテリー内蔵でモーターが駆動しているため、ジョイスティックレバーを倒している間だけ、倒している方向に進むという仕組みです。
中には最大で時速6キロメートルまでのスピードが出るものもあります。
・簡易型
簡易型は、一般的に使用されている普通の車椅子にバッテリーとモーターを取り付けたものです。
折りたたむことができる設計になっているものが多く、バッテリーがなくなっても手動で自走できるのが特徴です。
・ハンドル型(シニアカー)
「シニアカー」や「電動カート」とも呼ばれるハンドル型は、操作部がハンドルになっていて、アクセルレバーを使って加速や減速をします。前進と後進はスイッチで切り替え、左右への方向転換はハンドルを使用します。
ブレーキレバーが付いている場合もありますが、基本的には、アクセルレバーを離すと停止します。
坂道でもタイヤにロックがかかるため、勝手に走り出す心配はありません。
介助用
介助用の電動車椅子は、介助者の介助が必要な車椅子です。
上り坂ではモーター駆動でパワーアシストされたり、下り坂ではブレーキが働いたりと、介助者が車椅子を操作する際の負担を軽減させる工夫が施されています。
電動車椅子を選ぶときの
チェックポイント 5つ
ご利用者様にぴったりの電動車椅子を選ぶには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。
そのポイントをご紹介します。
使用者の状態
ご利用者の体の状態に合わせた電動車椅子を選ぶことが大切です。
その際、要介護度や被介護者の座位保持能力のほかに、介助者側の体の大きさ、車椅子の操作能力などによって、 電動車椅子のタイプやサイズ、搭載されている機能を選択しましょう。
主な使用場所
室内と屋外どちらで使用するかにより、適した電動車椅子の種類は異なります。
室内の移動で使うのであれば、狭い場所でも細かくハンドル操作ができるタイプが適しています。
それほど長時間乗るわけではないので、費用の安さから選ぶのも一つの方法です。
屋外で使用する場合は、一定時間乗る可能性が高いため、座り心地や乗り心地がよく、押しやすい安全性に優れているものを選びましょう。
電動車椅子のパーツのサイズ
電動車椅子の仕様は、被介護者の体の大きさに合わせ、座面や背もたれのサイズを決めます。
座面の横幅は、お尻の幅よりも約2〜3センチメートル余裕があるサイズが適していて、奥行きは、車椅子に深く腰掛けたときに、膝の裏から座面のエッジまで指3本分ほどの余裕があるサイズが安定するとされています。
座面は、車椅子に座り足台に足を置いたときに、膝が90度に曲がる高さ、背もたれは、脇の下の高さに合わせると楽に座れるといわれます。座面のクッション性や背もたれの柔軟性は、被介護者の背骨や骨盤の曲がり方から選択しましょう。
ただし、数値はあくまでも目安になります。
移乗方法
使用者の移乗方法も考えなければなりません。
・立って移乗できる
・座った状態で移乗する
・用具を使って移乗する
・介助してもらいながら移乗
・体形に合っている など
使用者が車椅子へ移動するときや、車椅子から他の所へ移乗するのがスムーズにできるものを選んでください。