安心快適な走行のために(交通ルールやマナー)
電動車椅子は、身体の機能障害により歩行困難となった者の移動に使われる福祉用具で、 日本の道路交通法では、そもそも「車両」とは異なり「身体障害者用の車いす」として扱われます。

通行中に限っては歩行者として扱われ、一般的には、椅子の両側に自転車に似た車輪が1対、足元にキャスターが1対の、計4輪を備えています。
原動機付ながら、無免許で運転ができ特別な届けも必要ありません。
車椅子の安全な使い方は、ゆっくり確実にが基本です。焦らずゆとりをもった横断、走行を心掛けましょう。
初めての運転
初めて電動車椅子に乗られる方は、電動車椅子の操作や速度に慣れるために、公園などの広く安全な場所で十分に練習をしてください。
また、初めて道路に出るときは、必ず介助者が同行し安全な順路や交通ルールの確認をしましょう。
原動機を用いる「身体障害者用の車いす」の基準
1.車体の大きさは、次に掲げる長さ、幅及び高さを超えないこと。- ◇長さ 120cm
- ◇幅 70cm
- ◇高さ 109cm
- ◇原動機として、電動機を用いること。
- ◇6km/hを超える速度を出すことができないこと。
- ◇歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。
- ◇自動車又は原動機付自転車と外観を通じて明確に識別することができること。
身体の状態により同号に定める車体の大きさの基準に該当する車椅子を用いることができない者が用いる車椅子で、 その大きさの車椅子を用いることがやむを得ないことにつきその者の住所地を管轄する警察署長の確認を受けたものについては、適用しない。
【参照】道路交通法施行規則(総理府令で定める基準)
道路上で走行できる場所
●歩道のある道路では歩道を通行してください。
周りの歩行者や自転車に注意してください。
●歩道のない道路では、路側帯を通行してください。(路側帯は右側通行となります)
路側帯もない場合は、自転車に十分注意して道路の右側を通行してください。
※道路の中央寄りは通行してはいけません。
標識や信号の見方
歩行者専用

「歩行者専用道路」です。電動車椅子は歩行者扱いとなりますので
この標識のある道路は走行できます。
歩行者横断禁止

「歩行者横断禁止」です。この標識のある道路は電動車椅子は横断できません。
自転車専用

電動車椅子は「歩行者」として扱われるため、通行できません。
信号機
信号機がある交差点では、必ず信号に従い余裕をもって渡りましょう。
横断中に信号が変わると大変危険です。
道路の横断のしかた
●横断歩道や信号機がある交差点では、横断歩道を利用してください。
横断する時は左右の安全を確認してから横断してください。
●信号機のない場所では、必ず横断歩道のある場所まで移動します。
横断歩道の手前で一旦停止して、左右の安全を確認してから横断してください。
●横断歩道もない道路では、見通しの良い所を探し、左右の安全をしっかり確認して下さい。
斜横断は危険ですのでやめましょう。
資料提供:電動車椅子安全普及協会